社員30名以下の”工務店経営者”様へ
地域で選ばれるとは、しっかりとした業務遂行体制の構築が不可欠。それに欠かせないのが「業務フロー」です。会社にあるようで、実は使えないものになっていたり、そもそも無いという会社も結構多いです。この業務フローとは、お客様の流れに沿って業務の内容、担当、帳票、そしてツールなどを見やすく整理したものです。この業務フローの作成方法についてレクチャーいたします。
社内業務の仕組みの中でも、現場の業務について改善することが求められます。この業務とは、品質の良い家づくりはもちろん、現場の整理整頓、安全対策、お客様対応、近隣配慮など多岐にわたります。この中でも安全対策は必要不可欠です。このセミナーでは、安全に対する現状把握と改善ポイントをレクチャーしていきます。安全対策で信頼度を増すことが可能です。
これからは、会社のルールのもとお客様対応をきちんとおこない、近隣や地域に方々にも認められるような会社になりましょう。ここまでおこなってくれば、信頼そして紹介や営業支援者にもなってきます。全てを個人に任せにしていては、本当の意味での会社の信頼につながってこないのです。信頼づくりのためには、業務の仕組み化が必須です。この意味を改めてお伝えします。
”地域に選ばれる会社になろう”といっても、やみくもに現場改善、業務改善をすればいいのではありません。どのような会社になるのかといった目標を定め、計画的に、人財育成も兼ねながら進めていきます。このプログラムについて説明します。これは各社毎におこなうものですが、場合によっては仲の良い会社でグループを組んでおこなうことも可能です。まずは説明会にご参加ください!
住宅業界は、少子高齢化に伴う市場の縮小、コロナやウクライナショックによる資材の高騰などの環境の変化が続き、先行きも不明確な状況にあります。
また、2019年4月1日に施行された「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」では、大企業においては2019年4月1日から、中小企業では2020年4月1日から順次適用されています。しかし建設業では、その適用に5年間の猶予期間が設けられていましたが、来年2024年4月より適用されます。あと1年もありません。
この法律が適用されると、以下の事は義務化されます。
・2024年4月より時間外労働時間に罰則付きで上限が設けられる
・60時間を超える法定時間外労働の割増賃金率が、25%から50%へと引き上げ
特に労働時間については取引業者も同じことです。方向は週休2日等の休日を確保する工期設定が原則になるので、これまで無理を言って対応してもらえていたことが、これからはそれができないどころか、禁止となる可能性もあるのです。
このように建設業の2024年問題とは、2024年4月までに建設業が是正しなければならない労働環境の課題のことですので、中小工務店といえども対応しなければならないのです。
ではどうするか?
「業務の仕組みづくりで業務効率UPをしましょう」ということになるのです。
そして義務としておこなうと考えるのではなく、仕組み化することで多くの業務課題が解決できると前向きに考えてみましょう。仕組み化をすることで、以下のようなことが改善されます。
・ミス・ロス・ムダが無くなり、仕事がしやすくなる
・部署間の連携がうまくいくようになり、責任のなすりつけが無くなる
・仕組み化をすることで、全てにおいて一番良いやり方を会社のルールになる
・お客様に安心、信頼をあたえることができ、クレームが減る
・お客様はもちろん、近隣は地域からの評判が高まる
・最終的に違算が減り、紹介や口コミが増え受注や利益向上につながる
いかがでしょうか? どうせ義務化されるなら積極的に仕組み化し、選ばれる工務店になってみてはいかがでしょうか?
基本は業務フローを作成することです。多くの会社は業務フローが無かったり、あっても使われていないケースが多いです。仕組みづくりの第一歩はこの業務フロー作成です。業務フローは実際の業務の流れや内容に沿って作成しなければならないので、何かのサービスや他社の真似をしてもなかなかうまくいきません。また会社の規模によっても、どの程度まで作成するかが違ってきます。自社に最適な業務フローを明確にして、各職種の役割が明確になれば、会社全体の業務が見えて分かりやすくなります。
【プチ事例】
業務フローを作成していくと、誰が何をしているのかがわかってきました。これまでは何をしているのかが分かっているようで分かっていなかったので、自分の立場でしか物事を考えていませんでした。しかし他の仕事が分かるようになったことで、お互い協力しあうことが以前よりできるようになりました。
業務でよく見かける光景が、部署間における「言った言わない」「聞いていない」といったことではないでしょうか? ここには引継ぎという概念が間違っているために起こります。引き継ぎとは書類の受け渡しの事ではなく、責任も含めて次工程に引継ぐというこです。ここの意識改革と確実な引継ぎ体制を構築することで、業務がスムーズに流れるのと、結果的にクレーム減少にもつながってきます。
【プチ事例】
これまでは図面をもらって何となく仕事を進めていましたが、責任の引継ぎということで以前よりもしっかり確認するようになりました。その結果、現場で「ここはどうなっている?」というやり取りや現場に呼び出されることも少なくなりました。今までは、大工・職人さんの時間をロスさせていたのだと改めて感じています。
現場の整理整頓、安全体制などは個人任せではできません。現場ではどのような設えをするのか、例えば安全表示はどこに貼るのか、玄関周りに何を置くのか、会社ではどのようなものを準備するのか、このようなことを決めていないと現場美化はできません。ここにはマニュアルが必要になります。このマニュアルを作成することで、社員も職人・業者もどんな現場を目指しているのかがわかり、どこの現場でも確実に同じような状況に持ってくることができるようになります。他社とは違う現場ができれば、それが会社の強みにもなるのです。
【プチ事例】
現場をきれいにすると言っても、各自の意識が違いなかなかうまく進みませんでした。しかしマニュアル化することで会社の基準が明確になり、大工・業者さんにも伝えられるようになりました。現場がきれいになると、お客様とのコミュニケーションも取りやすくなり満足度も上がってきました。
住宅営業は個人任せではダメです。一番良い流れをつくりそれを皆で共有することで、全体の契約率も上がってきます。簡単なのは、一番売っている営業マンのやり方を仕組みとして標準化することです。どのようなトークをするのか、どんなツールを使うのか、どのタイミングで次ステップにつなげていくのかなどを決めて、その通りにおこなっていくことで契約が近くなります。更には個々のスキルアップにもつながります。この仕組みをつくることで、今まであまり売れなかった営業マンが契約を取れるようになっています。
【プチ事例】
営業ツールはたくさんありましたが、営業のベストな流れができておらず個人任せになっていました。しかし一番良い流れを仕組みにすることで、全員が同じことができるようになりました。これが腑に落ちた若い営業マンが、急に受注できるようになり自信につながっています。
お客様の要望を1つでも多く叶えてあげたい、多くの工務店の皆さんは考えていると思います。しかし永遠に打ち合わせするわけにはいきません。工程が決まっているのであれば、期限までに終わらせないと後工程に迷惑が掛かります。ここは仕組みとしてとても重要なところです。それと共に意識改革も必要になります。「お客様の要望をお聞きしながら、期限までに打ち合わせを終わらせる」という仕組みをつくりましょう。
【プチ事例】
どうしても「お客様の要望だから~」と言われるとあまり強く言えず許してしまい、いつも工事監督に迷惑を掛けていました。しかしこの流れを仕組みにし、特にお客様への説明の仕方も決めたことで、全体で期限を守れるようになってきました。
現場が始まると、お客様はワクワク感が高まってきます。しかしここでの対応が悪いと不安や不満が蓄積し、いつかクレームへと発展します。そこまでいかなくても「信頼」に至らず紹介等に結び付きにくくなります。逆にここでの対応をしっかりすることで、お客様からの信頼と応援してもらえる関係になってくるのです。この対応の仕方は仕組みにしておくことが大切です。
【プチ事例】
現場でのお客様対応は、監督個人任せになっていました。特に要望があれば現場で対応するという形にしていましたが、実はお客様の信頼を損ねていたようです。現場対応をルール化し、皆が同じように対応するようになってから、クレームの芽が潰せ満足度も上がってきました。
木質パネル工法の住宅メーカーの開発部門にて、住宅の性能や構造や大臣認定取得に関わる業務に従事。その後日菱企画株式会社/住宅産業塾の事務局長として、工務店向けの勉強会、視察会、会員サービスといった住宅産業塾の運営と会員へのコンサルティングをおこなう。現在は独立し、現場改善や診断・指導、業務改善指導などのコンサルティングのほか、住宅産業塾の魅せる現場コンテストの企画・運営なども引き続き従事している。