建築や工事現場については、法律で多くのことが定められています。今回はこの法律にどのようなことが定められているのかを簡単に解説いたします。まずは建築基準法です。
法律の枠組みについて
法律の枠組みは、以下のようになっています。
「〇〇法」-「○○法施行令」-「○○法施行規則」
このような流れで、まずは大枠、そして具体的、更に詳細というような構成です。例えば建築基準法だと、「建築基準法」-「建築基準法施行令」-「建築基準法施行規則」という具合になります。
①建築基準法
建築物に関する法律の基本的な法令で、建築物の安全性、耐震性、消防設備など、建築に関する基本的な規制を定めています。建築物の設計、施工、保守などに関連する法的な要件を定め、公共の安全と健康を保護するための基本的な枠組みを提供します。
②建築基準法施行令
建築基準法施行令は建築基準法を補完し、具体的な規制や手続きを定めた規則です。施行令は法律の一般原則を具体的な法的要件に翻訳し、実施のための詳細な規則を提供します。たとえば、建築物の耐震性や建築物の使用許可申請手続きなどが施行令で詳細に規定されています。
③建築基準法施行規則
建築基準法施行規則は、建築基準法施行令の更なる詳細な規定を提供します。これは、施行令よりも具体的なガイドラインや基準を示し、建築物の設計や施工における具体的な要件を規定します。建築基準法施行規則は、建築物の種類や用途に応じて異なる要件を提供し、技術基準を定めています。
簡単に言えば、建築基準法は基本原則と法的枠組みを提供し、建築基準法施行令はその法律を実施するための具体的な規則を定め、建築基準法施行規則はそれを更に具体化し、建築における詳細な要件を提供しているということです。
工事中現場について「建築基準法」が関係する事項
建築基準法は、どちらかというと完成する建物の仕様などに関しての規定ですので、設計が知っておかなければならない事項が多いです。しかし工事中の現場についての規定がありますので、一応知っておいた方が良いです。以下にそれらのことを記しておきます。
建築基準法
建築基準法に出てくるのは、以下のような項目です。
(工事現場における確認の表示等)第八十九条
(工事現場の危害の防止)第九十条
(工事中の特殊建築物等に対する措置)第九十条の二
(工事中における安全上の措置等に関する計画の届出)第九十条の三
住宅の現場として主に関係するのは第九十条、建物の種類によっては第八十九条も関係してきます。
(工事現場の危害の防止)
第九十条 建築物の建築、修繕、模様替又は除却のための工事の施工者は、当該工事の施工に伴う地盤の崩落、建築物又は工事用の工作物の倒壊等による危害を防止するために必要な措置を講じなければならない。
「工事の施工者は」とありますので、工務店は該当します。
建築基準法施行令
建築基準法施行令では、以下のような条文が該当します。
第七章の八 工事現場の危害の防止という規定が関係してきます。
(仮囲い)第百三十六条の二の二十
(根切り工事、山留め工事等を行う場合の危害の防止)第百三十六条の三
(基礎工事用機械等の転倒による危害の防止)第百三十六条の四
(落下物に対する防護)第百三十六条の五
(建て方)第百三十六条の六
仮囲いについては、このブログの【仮囲いは必要か】という記事にも記載しました。そちらもご覧ください。
建築基準法施行規則
建築基準法施行規則には、以下のような条文が関係してきます。
(工事現場の確認の表示の様式)
第十一条 法第八十九条第一項(法第八十七条の四又は法第八十八条第一項若しくは第二項において準用する場合を含む。)の規定による工事現場における確認の表示の様式は、別記第六十八号様式による。
(安全上の措置等に関する計画届の様式)第十一条の二
法律は遵守しなければならない
法律は遵守しなければなりません。何か事故などがおこったら、法律が守られていたかどうかで判断されます。実際には建物の規模や構造により異なってきますので、詳しくは条文を読んでみるといいです。私が条文を調べているのは下記サイトです。参考にどうぞ。
◆建築基準法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000201
◆建築基準法施行令
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325CO0000000338_20230526_504CO0000000393
◆建築基準法施行規則
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325M50004000040_20230526_505M60000800030
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