根がらみはなるべく低く

安全対策
現場監督
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根がらみが高くて通りづらかった

さの
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根がらみはなるべく低く設置する規定があります

根がらみの役割

「根がらみ」とは、建地の位置ずれなどによる倒壊を防止するため、足場の脚部で支柱相互を連結する部材のことです。これにより、支柱の横滑りや不等沈下を防ぐ効果があります。足場工事では作業者や資材などの重量や風圧などによって足場が動くこともありますが、根がらみはその動きを抑える効果もあります。さらに、地震や台風などの災害時にも足場の倒壊や崩落を防ぐ効果も期待できます。

要するに、足場の下の方の建地が上からの荷重や横からの荷重(風や地震)でずれを起こすことが考えられ、それを防止するために低い位置で建地相互をつなげましょうということです。また、根がらみが高い位置で設置されている現場を見ますが、この場合その部分の移動が困難になります。作業床などの通路になるものがあればいいですが、それを設けなければ根がらみが低い位置にないと通るのが困難にもなるのです。

根がらみの基準

根がらみを設置する際には、施工基準や規定に従う必要があります。労働安全衛生規則第570条、厚生労働省による「足場先行工法のガイドライン」や仮設工業会の「くさび緊結式足場の組立及び使用に関する技術基準」などが参考になります。

労働安全衛生規則では、「足場の脚部には、足場の滑動又は沈下を防止するため、ベース金具を用い、かつ、敷板、敷角等を用い、根がらみを設ける等の措置を講ずること」と明記されています。足場先行工法のガイドラインでは、「根がらみは、できる限り低い位置に設置すること」という指針が示されています。

仮設工業会の「くさび緊結式足場の組立及び使用に関する技術基準」では、住宅工事用足場とビル工事用足場で根がらみの施工基準が異なることが述べられています。住宅工事用足場は、足場の高さも低く、自重や積載荷重も比較的小さいため、「支柱最下端の緊結部に設けられた緊結部付布材を根がらみとみなすこと」ができるとされています。また、梁間方向に根がらみを設ければ、桁行方向の根がらみは前踏みあるいは後踏みの一方を省略しても良いとされています。ただし、桁行方向の根がらみが前踏み後踏みの両方に設けられている場合は、梁間方向の根がらみは省略することができます。

安全かつ効率的な現場づくり

現場監督は、作業者に対して根がらみの設置について正確な指示を与えることで、事故やトラブルを未然に防ぐことができます。また、定期的な点検や安全点検を実施し、根がらみが正しく設置されているかを確認することも大切です。現場で勝手に外されているケースがよくありますが、外したら元に戻すという習慣を身につけて欲しいです。また定期的な点検によって、劣化や破損がないかを把握し、必要に応じて補修や交換を行うことで、足場の安全性を維持することができます。

根がらみの重要性と適切な設置方法については、作業者だけでなく、現場の関係者全体に理解を促すことも重要です。現場監督や管理者は、根がらみの役割や基準について徹底的に説明し、意識を高める取り組みを行うことで、作業の品質向上と安全性の確保につなげるようにしましょう。

根がらみは建築現場において安全性を確保するために欠かせない重要な要素です。適切な設置と適応した基準の遵守によって、足場工事の安全性と効率性が向上し、建物の施工においても安心して作業を行うことができるのです。たかが根がらみと思うかもしれませんが、現場の関係者が一体となって根がらみの役割と適切な設置方法を理解し、遵守することで、より安全な建築環境の確保に貢献できることを忘れないでください。

安全に関する研修や、業者会・安全大会での講演等も承ります。業者会・安全大会では、先に現場を見せていただければ、その評価を踏まえてお話しします。
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