共通認識を持つためのルール作り
「現場をきれいにしよう、安全な現場にしよう」と言っても、人それぞれ考え方や感じ方は異なります。ある人は「きれいな状態はこれくらいか?」と考えたり、「今で十分きれい」と考えたり、「そもそも程度が分からない」と思っている人もいると思われます。これらはルールがないから起こる問題です。
ルールとは、一般的に行動や判断の基準となる規則や方針のことを指します。これらの規則は、行動や取り決めが秩序を保ち、公平性や安全性を確保するために設けられます。つまり、現場に関しての規則を設け、皆が同じことをおこなうという公平性や安全な現場づくりのために設定するという事です。
しかし、現場については文章で示しても分かりにくいです。どちらかというとビジュアルで示していくことで分かりやすくなってきます。写真で見せる見本のようなものですね。
どのような項目が必要か?
ではどのような項目が必要でしょうか? 現場といっても整理整頓から安全、工程、品質、など様々な業務がありますが、ここでは現場の整理整頓や安全、そしてお客様対応の部分の項目をピックアップしてみます。
- 現場の整理整頓の仕方
- 道具や資材は決められた場所に置く
- ごみの分別や置き方
- 安全対策の仕方
- 安全装備(安全帯など)を着用する場所
- 危険区域に関係者以外立ち入らせない
- 安全教育・資格の保持状況
- 近隣対策の仕方
- 騒音や振動を抑える
- 埃やゴミを飛ばさない
- 近隣住民とのコミュニケーションをとる
簡単に項目だけ挙げてみました。実際にはこれらの内容をもっと具体的にして、その見本となる写真などを示して分かりやすくします。具体的にとは、例えば整理整頓の仕方のひとつとして「棚などを設けて工具や資材等を下に置かない」といった内容のことです。それの見本があれば、どの現場でも同じようにおこなうことができます。これらのルールは、現場をいかにして良くしていくかに応じて設定します。また、ルールは明確で簡潔で分かりやすくすることが大切です。さらに、ルールは定期的に見直しや改善を行うことが必要です。
ルール通り出来ない時は?
よくあるのが、「ルールは作ったけど実行できていない」というケースです。例えば「この現場はうまく当てはまらないからできない」「あの状態をいつおこなったらいいか分からない」といった感じではないでしょうか?
基本はルール通りおこなうことが大切です。しかし、その通りできないこともあります。これは仕方のないことですが、その時に「如何にしてルールに近づける考え方をするか」ということです。例えば上記の「棚などを設けて工具や資材等を下に置かない」という場合、「棚は設けないけど、このようにしよう」という考え方ができるかどうかです。基本は「下にモノを置かない」ということなので、それをその現場で工夫をしてみましょう。
実際にはそれを現場監督と相談して決めていき、その事例を業者会などで共有していくと「この場合はこうしよう」という好循環が生まれてきます。「ルール通りできないからしない」ではなく、「今回はこのような工夫をしよう」となって欲しいものです。
日々のチェックが重要
そしてルールどおり行っているかを日々チェックします。チェックというと大変そうな気がするかもしれませんが、現場に行った時に気づけるかどうかです。しかし気づけない、忘れていたというケースもありますので、そこにはチェックリストがあるといいです。つまりルールをつくり、そのルール通り出来ているかをチェックリストで確認するということです。日々の行動ですね。
これの繰り返しで現場を良くしていきましょう。良くなっていけば好循環が生まれます。まずは実践してみてください。
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