「安全第一」とよく言いますが、第二、第三はあるのでしょうか?
安全第一、品質第二、生産第三
安全第一のスローガンには続きがあり、品質第二、生産第三と続きます。もともとはアメリカの企業が使っていたスローガンのようです。一般的には、それぞれ以下のような考え方になります。
◆安全第一
安全性は、どんな産業においても最優先事項です。従業員、顧客、環境に対するリスクを最小限に抑えることが必要です。安全性が確保されない場合、労働災害や環境汚染などの問題が発生し、企業の評判や法的責任に大きな影響を及ぼす可能性があります。安全性の確保は、従業員の訓練、適切な設備、遵守すべき規制や基準の遵守など、様々な要素から成り立っています。
◆品質第二
品質は、製品やサービスの競争力を決定する要因の一つです。顧客は高品質な製品やサービスを求め、品質の低い製品は市場で失敗する可能性が高いです。品質管理は、製品やサービスの設計、製造、テスト、検査などの全プロセスにわたります。品質を維持するためには、厳格な品質管理システムの導入と継続的な品質向上が必要です。
◆生産第三
生産性は、企業の収益性に直結する要因であり、競争力を維持するために欠かせません。生産性を向上させるためには、効率的なプロセス、最新の技術、従業員のスキル向上などが必要です。しかし、生産性向上を追求する際に品質や安全性を犠牲にしてはなりません。生産性は安全性と品質とのバランスを取りながら向上させるべきです。
もともとは生産第一だった?
1900年に入ったころにアメリカで使われたスローガンですが、もともとは「生産第一、品質第二、安全第三」だったそうです。ところが労働環境が劣悪で過酷な環境のため、労働災害によって亡くなる方が後を絶たなかったそうです。このような状況は良くないということで、このスローガンを「安全第一、品質第二、生産第三」と変更したところ、労働災害が減少していきました。
これが世界中に広まり、日本にも1912年にこの考え方が持ち込まれました。当初は「安全専一」だったそうですが、その後「安全第一」となり日本での労働災害も減っていったそうです。
この安全第一を表すのが「安全旗」。この安全旗にも意味がありますが、それについては「安全旗の種類」という記事をお読みください。
現場の整理整頓は何番目?
では住宅の現場において、「整理整頓」はどのように考えましょう?
最近は現場の「整理整頓」「現場きれい」に取り組む住宅会社が増えてきました。お客様に喜んでいただきたい、会社の姿勢を見せたいという考え方は間違っていませんが、「現場きれい第一」とはなりません。「現場をきれいにすれば安全になる」ではなく、「安全な現場にするために現場をきれいにする」という考えにしてください。あくまでも「安全第一」です。命に関わることですので。
では二番目でしょうか? おそらく、そういう問題ではないのでしょう。
住宅の現場においては、①安全な現場をつくり、②品質の良い家づくりをし、③その工程で生産性を高める工夫をする、このような順番になります。これらを実現するために「現場の整理整頓」「現場きれい」があります。そしてその先にはお客様満足や信頼につながっていくと考えると、「何番目?」という概念は当てはまらないと考えています。
いかがでしょうか?
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