現場で使用する”はしご”

安全対策
現場監督
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はしごの使い方って、決まりがあるのですか?

さの
さの

ルールや基本的な考え方があります。

はしごとは

建築現場で使用されるはしごは、建設作業やメンテナンスなどに用いられる道具です。一般的に金属製のはしごや脚立が使われます。建築現場で梯子を使用する際には、法律や規格に従って安全に取り扱う必要があります。

労働安全衛生規則や金属製避難はしごの技術上の規格により、法的にはしごの使用に関する規制が定められています。労働安全衛生規則では、はしごや脚立を使用する前に、より安全な方法が存在しないかを検討することや、はしごや脚立をしっかりと固定することなどが定められています。金属製避難はしごの技術上の規格では、その構造や材料、強度などが詳細に規定されています。

規格では、はしごの傾斜角度や建物との接触点などが重要な要素となります。適切なはしごの傾斜角度は約75度です。はしごの上端は、上端床から60cm以上突き出していなければなりません。脚立専用のものをはしごとして使用しているケースも見受けられますが、これはNGです。はしご兼用の脚立を使用してください。詳しくは脚立の記事をご覧ください。

上り下りのルール

はしごを上り下りする際の向きについては、基本的には前向きが最適です。ここで言う前向きとは、はしごに対して正面を向くことを意味します。つまり、身体がはしごと同じ方向を向いている状態です。前向きに上り下りすると、はしごと身体の中心が一直線になりやすく、バランスを取りやすくなります。また、前向きの場合は、両手と片足または両足と片手ではしごをつかむことができます。これを3点支持と呼びます。

ただし、前向きでの上り下りにおいても注意点が存在します。たとえば、

  • はしごから身体を乗り出さないこと
  • はしごの上で壁や物を無理に押したり引いたりしないこと
  • 不安定な荷物を持ってはしごを上り下りしないこと
  • はしごを滑りやすい場所で使用しないこと

これらのルールを守らないと、はしごが倒れたりずれたりして転倒や転落の危険性が高まります。

基本的な考え方は、この上り下りするときは「3点支持になるようにしましょう」ということになります。はしごに両手すりがあれば、両方の手(2点)と足が1点で3点支持になりますので、一応OKということですが、あくまでも前向きを推奨します。どうしても後ろ向きで下りる場合には下記のような注意が必要です。

  • はしごの昇降面に対して直角に立つこと
  • はしごの昇降面から離れすぎないこと
  • はしごの昇降面に対して正面を向くこと

これらのルールを守らないと、バランスを崩しやすくなります。

はしごからの転落事故は、毎年多く発生しています。はしごからの転落事故は毎年1,000件以上発生し、そのうち約2.5%が死亡事故となっています。はしごからの転落事故を防ぐためには、以下のような対策が必要です。

  • はしごを使用する前に、より安全な代替策(ローリングタワー、移動式作業台、高所作業車など)を検討すること。
  • はしごを使用する場合には、安定した状態で使用し、上端や下端をしっかりと固定すること。
  • はしごの上でバランスを崩さないようにし、身体の中心が梯子の中心から外れないようにすること。
  • はしごの昇降時には荷物を持たず、3点支持(両手と片足または両足と片手)を守ること。
  • はしごの天板に乗ったりまたいだりしないこと。
  • はしごの滑り止めや保安装置などを定期的に点検すること。
  • 墜落時保護用のヘルメットを着用すること。

これらの対策を実施することで、はしごからの転落事故をかなり予防することができます。「はしごの高さぐらい大丈夫」という安易な考え方はやめて、しっかりとした対策を講じましょう。

安全に関する研修や、業者会・安全大会での講演等も承ります。業者会・安全大会では、先に現場を見せていただければ、その評価を踏まえてお話しします。
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