業務改善にしろ、現場改善にしろ、「〇〇したい」「□□しないと・・・」という目標や理想の姿があると思います。しかし「〇〇したい」だけでは漠然としているため、目標が高すぎてどこから手をつけたらいいのか、誰が主体的におこなうのかなど、考えがまとまらないケースが多々あると思います。そこでどう考えたらいいかと言うと「物事を分解して考える」ということです。
分解して考えるとは?
分解して考えるとはどういうことでしょう? 例えば「業務改善をしよう」だけでは何をどうすればいいか分からないです。そこで、まずは「業務フロー」を作成しましょうということで、ひとつの方法が出てきます。この業務フローでは、全体の流れが出てくると同時に、誰の担当なのかで分けられます。工務店の場合であれば、営業、設計、工事、アフターのような分け方です。そして営業の仕事でいうと、問い合わせ時の対応、初回接客時の対応、説明の仕方などなど、1つ1つ業務の内容を分解して考えていきます。こうすることで、1つ1つは小さな業務と捉えられるので、難しそうといった感覚は無くなると思います。
現場改善も同じです。例えば「現場をきれいにしよう」という目標があったとします。「いつもきれいにしてください」「掃除をしましょう」という掛け声だけでは、人により解釈や考え方が異なるため、それぞれバラバラの状態になってしまいます。そこで1つ1つ分解して考えていくようにします。まずは建物内部と外部に分けられますし、内部であれば「ゴミ箱の設置の仕方」「工具置場」「材料の置き方」「架空配線の仕方」「掃除をする時間や回数」などなど。このように1つ1つ分解して考えていけば、それほど難しいことには感じなくて済むと思います。
またこのように考えていけば、何をどうしてほしいということを職人や業者の方々にも説明しやすいですよね。
分解して考えると思わぬ気づきも
おそらく、皆さん普段からこのような考え方をしていると思います。その考え方を普段の業務や現場、その他仕事の上でも活用すればいいだけです。頭の中を整理するような感覚だと思って下さい。
実はこのように考えていくと、会社の仕組みを見直すことができます。例えば工事監督が足りないなと感じている場合、どのように考えるでしょうか?
まずは人を補充しようとなります。そして補充したら、ひと通りの仕事ができるよう教育していきます。一人前になれば現場を任せることができますが、意外と時間が掛かりませんか?
そこで考えてみて欲しいのが、工事監督の業務を分解するということです。例えば、積算、発注、予算管理、品質管理、安全管理、工程管理、現場の整理整頓、お客様対応など、多くの業務が出てきます。ではそれぞれを1人の工事監督がしなければならないのか? 分解して考えることで、それぞれを別の人ができないか、そんな考え方も浮かんでくると思います。
実際に行われているケースでいうと、品質管理だけをおこなう方がいるとか、積算・発注は別部門がおこなうとか、現場の整理整頓を経験の浅い新人等におこなわせるとか、考え方はいろいろあります。このように分解して考えることで、新たな気づきが出てきます。
ただし必要なのが”仕組み”づくり
上記のケースは、「分解すればこのように考えることができますよ」ということですが、実際に進めていく場合に必要なのが、それぞれ「仕組み」をつくるということになります。品質管理だけを別の方におこなってもらうにも、そのやり方等をしっかりと決めておかないとできませんよね。逆に言うと、その仕組みがしっかりとあれば、業界経験はなくてもできます。実際に業界未経験の方が、品質管理だけをおこなっている会社があります。これが出来るのは、その仕組みがあることです。もちろん教育は必要ですが、新たに監督を採用して一人前に育てるよりも、早く戦力化できます。考え方次第ですね。
いかがでしょうか? 物事を分解して考える癖がつけば、いろいろな課題を解決することができそうだと思いませんか?
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