工務店の業務とは連係プレー

業務改善

家づくりには、多くの人や業者・職人が関わってきます。それらの連携でスムーズにおこなわれるか、あちらこちらであと戻りが発生するか、大きく違ってきます。その根幹が業務フローになりますが、これは連係プレーです。そのあたりのことを解説します。

家づくりはひとりではできない

工務店のような住宅会社は、営業が受注し設計が図面を作成、工事監督が発注や品質・進捗管理、そしてアフターというような役割分担で業務をおこなっています。その中には、基礎、材料・建材、設備、電気、そして職人さんなど多くの方々が携わります。

では誰がまとめていくのか? 昔は棟梁が段取りや指示をしていましたが、現在は上記のような役割分担でおこないますので、まとめ役は工務店の社長や幹部になります。しかし社長や幹部だけで全てを見きれる訳ではありませんので、それぞれの部門に責任者がいて、さらにその責任者の下に担当者がいる、さらにそれぞれの業者や職人に対して依頼して確認するというような構図になっています。人員は会社の規模により異なりますが、概ねこのような形です。

つまり、ひとりでは出来ないという事です。連係プレーですね。

連係プレーに必要なことは?

では連係プレーと考えた場合、個人個人が好き勝手なことをしていたら、次の工程の方へバトンを渡せないですよね。つまり各自が責任をもって業務をおこない、次へ渡すことが重要になってきます。これが「引継ぎ」ということです。では何を引継ぎましょう? いつ引継ぎましょう? これらを決めるのが「業務フロー」と「業務内容」ということになるのです。

つまり、家づくりをおこなう工務店の業務には、業務フローと業務内容を明確にすることがとても重要なのです。そして各自の業務をしっかりと責任をもっておこない、次を引継ぐことも決めておくということです。

ここがあやふやな工務店が多いです。例えば図面が出来ていないのに着工してしまうケース。これは多くの工務店でおこなわれており、本当は良くないとわかっていながらも、仕方なくそうなってしまっているのが現状のようです。理由を聞くと、「お客様が決めてくれないので仕様が固まらない」「図面作成の時間がない」「人が足りない」などなど。

これは、この現状を脱却させるという意志と行動がなければ、ズルズルといつまでも続く現象です。そのうち担当者は嫌気がさして退職、ということにもなりかねません。これでは連携プレーではありませんよね。

連携プレーを確実におこなうために

このようなことにならないためには、どの時点で何をおこなうのか、それを担当者任せにはせずに責任者が進捗確認をしてフォローをしていくこと、このような考え方が必要になります。そのためには、まずは業務の流れを示した業務フローが必要になるのです。

多くの会社はこの業務フローがありません。何となく業務をこなし、社員が入ってきたら指導しながら覚えてもらい、そこから自己流が発生してしまいます。例えば、工事監督は現場に何回行くのか? 人によっては毎日、私は2日に1度、わたしは必要に応じてといった具合で、担当者によってバラバラになってしまうといった感じです。これはお客様のためになることでしょうか?

まずは、業務フローと業務内容をしっかりと決めましょう。そして自分の業務を責任をもって期限までにおこない、それから次工程の方にその内容を引継ぎましょう。この引継ぎもとても重要なポイントとなります。ここをしっかりと決めて実行できるようにしなければなりません。このような考え方がとても大事になってきます。

実際には様々な要因があるため、簡単ではありません。同じ家づくりをおこなう工務店といっても、それぞれの会社の流れ、人員構成、考え方などが絡みあってきますので、その会社に合わせた業務フローが必要になるのです。他社のものを流用しようなどとは、考えない方がいいです。まず、うまくいきませんので。あくまでも参考程度にしてください。

安全に関する研修や、業者会・安全大会での講演等も承ります。業者会・安全大会では、先に現場を見せていただければ、その評価を踏まえてお話しします。
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